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  • 執筆者の写真BK Staff

1日6個のプルーンを食べると骨量減少の予防が期待できます!




閉経後の女性は骨密度が急速に低下する傾向があり、骨を弱くする骨粗鬆症を発症する可能性は男性よりもはるかに高くなります。閉経後は介入なしには通常1年に1~1.5%の骨が失われると言われています。股関節の骨折の約4分の3は女性で起こり、50歳以上の女性の半数が生涯のうちに股関節、手首、脊椎の骨折を経験するとも言われています。


骨粗鬆症で悩む女性にとってプルーンを毎日摂取することが有益であることは多くの研究で実証されています。プルーンは骨形成を促進し、骨吸収を抑制することで骨のターンオーバーを改善します。


12年以上もプルーンの研究を行ってきたフロリダ州立大学のHooshmandらは、骨粗鬆症または骨減少症の閉経後女性55人(平均年齢57.5歳)を対象に、毎日100 gのプルーン(9~12個)を12ヵ月間摂取させたところ、骨量の減少が抑制され、腰椎と尺骨の骨密度が最大1%増加し、骨吸収マーカーが抑制されたことを報告しています。この研究の参加者は、毎日500 mgのカルシウムと400 IU(10μg)のビタミンDも摂取していました(1)。


Hooshmandらは追跡研究で、骨減少症を有する閉経後女性48人(年齢範囲65~79歳)を対象に、プルーン50 g(5~6個)または100 g (9~12個)6ヶ月間毎日摂取した場合の効果を比較したところ、50 gまたは100 gを食べた女性では全身の骨密度が保たれたことから、低用量でも高用量と同程度の骨量減少予防効果があることを示唆しています。この研究では股関節や脊椎の骨密度低下防止効果は認められませんでしたが、追跡した期間が短すぎた可能性があると推察されています (2)。


ペンシルバニア州立大学のDe Souzaらによって実施された「プルーン研究」と呼ばれる大規模ランダム化比較試験では、プルーンの定期的摂取が炎症性サイトカインの有意な減少と関連していることは、プルーンに含まれるポリフェノール抽出物が破骨細胞における酸化ストレスと炎症のレベルを低下させるからであり、これはこれまでの報告 (3,4)を裏付けていると報告しています。


プルーン研究の主要研究は、閉経後女性235人(骨密度 T-スコア0〜-3.0、平均年齢62歳、年齢範囲55〜75歳)を対象とした無作為比較試験では、12ヵ月間プルーンを毎日50 g摂取した群、毎日100 g摂取した群、摂取しなかった群で骨密度を比較検討しました。参加者全員は毎日1200 mgのカルシウムと800 IUのビタミンD3も摂取していました。その結果、毎日50 gのプルーンを摂取した女性では、6ヵ月後および12ヵ月後の追跡調査において、ベースライン時と比較して股関節の総骨密度が維持されていたことが明らかになりました。骨折リスクは50 g群と100 g群の両方で維持されました(5)。


さらに、De Souzaらはプルーン研究を完了した183人の女性のベースライン・データを横断的に2次分析したところ、研究前後に採取した血液サンプルにおいて、いずれのプルーン群において炎症性サイトカイン値が有意に減少していることを明らかにしました。毎日100 gのプルーンを食べた女性では、炎症性インターロイキンがベースラインから有意に減少し、毎日50 gのプルーンを食べた女性では、腫瘍壊死因子(TNF)-αがベースラインから有意に減少しました(6)。


Hooshmand博士(および他の研究者)が推奨する最適な骨の健康のための摂取量は、1日100 g(9〜12個)です。しかし、血糖値が気になる方やローカーボダイエットを実践している方は、1日の摂取量を50 gに減らしても骨に対する効果は期待できそうです!


プルーンの栄養成分は次の通りになります:

• プルーン100 g(9〜12個)のカロリーは240キロカロリーです。

• プルーン100 g(9〜12個)の総炭水化物は65 g、正味炭水化物は57.5 gです。


摂取量 プルーン数 カロリー 炭水化物 ファイバー

100 g 9-12 240 65 g 7.5 g

50 g 4-6 120 33 g 4.0 g


プルーンには主にネオクロロゲン酸とクロロゲン酸として、多量のフェノール化合物(184 mg/100 g)が含まれており、排便促進作用を助け、ブドウ糖の吸収を遅らせる可能性のある食物繊維も多く含まれています。プルーンにはカリウム(745 mg/100 g)、ホウ素(2~3 mg/100 g)、ビタミンK1(66 mcg/100 g)も多く含まれており、これらはすべて骨にとって重要な栄養素です。


最近の研究では、プルーンが骨粗鬆症に最も有効な食品のひとつであることが明らかになっています。プルーンには他にも健康効果があり副作用もほとんどないです。1日100 gの摂取が最良の結果をもたらすようですが、新しい研究では1日50 gの摂取でかなりの効果が得られることが示されています。


プルーンは骨にとってとても有用なフルーツですが、これだけで骨が丈夫になり、転倒を減らすことができるわけではないことは忘れないでくださいね!


参考文献


  1. Hooshmand, S., Chai, S., Saadat, R., Payton, M., Brummel-Smith, K., & Arjmandi, B. (2011). Comparative effects of dried plum and dried apple on bone in postmenopausal women. British Journal of Nutrition, 106(6), 923-930. doi:10.1017/S000711451100119X

  2. Hooshmand S, Kern M, Metti D, Shamloufard P, Chai SC, Johnson SA, Payton ME, Arjmandi BH. The effect of two doses of dried plum on bone density and bone biomarkers in osteopenic postmenopausal women: a randomized, controlled trial. Osteoporos Int. 2016 Jul;27(7):2271-2279. doi: 10.1007/s00198-016-3524-8. Epub 2016 Feb 22. PMID: 26902092.

  3. Arjmandi B.H., et al. Bone-Protective Effects of Dried Plum in Postmenopausal Women: Efficacy and Possible Mechanisms. Nutrients. 2017 May; 9(5): 496. Published online 2017 May 14. doi: 10.3390/nu9050496

  4. Wallace TC. Dried Plums, Prunes and Bone Health: A Comprehensive Review. Nutrients. 2017 Apr 19;9(4):401. doi: 10.3390/nu9040401. PMID: 28422064; PMCID: PMC5409740.

  5. De Souza MJ, Strock NCA, Williams NI, Lee H, Koltun KJ, Rogers C, Ferruzzi MG, Nakatsu CH, Weaver C. Prunes preserve hip bone mineral density in a 12-month randomized controlled trial in postmenopausal women: the Prune Study. Am J Clin Nutr. 2022 Oct 6;116(4):897-910. doi: 10.1093/ajcn/nqac189. PMID: 35798020.

  6. Damani JJ, De Souza MJ, Strock NCA, Koltun KJ, Williams NI, Weaver C, Rogers CJ. Associations Between Inflammatory Mediators and Bone Outcomes in Postmenopausal Women: A Cross-Sectional Analysis of Baseline Data from the Prune Study. J Inflamm Res. 2023 Feb 15;16:639-663. doi: 10.2147/JIR.S397837. PMID: 36814438; PMCID: PMC9939790.

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